猫と快適i-smart生活

猫に餌を出す係の博士の日記

高気密・高断熱住宅はエコカラットと相性が悪いのか?

エコカラットは、調湿機能だけではなく、脱臭もでき、質感もとてもいい感じです。エコカラットプラスになると汚れを拭き取ることができるので、手入れがとても簡単。でも、24時間換気の家でメリットはどの程度あるの?という疑問を常に持っていました。


エコカラットの調湿が最大に発揮されるケースは、空気の入れ替わりがあまりなく、1日の寒暖差がある場合です。


例えば、冬の日中に暖房を行った場合、空気が蓄えることができる水蒸気の量が増えるので湿度が下がりますが、夜に暖房を止めると、空気が蓄える水蒸気の量が減るので湿度が上がり結露が起きることがままあります。こういった結露を抑制することができるのがエコカラットの良いところです。


こんなことを考えると、24時間床暖房+24時間換気システムが導入されている家でエコカラットのメリットはあるの? というのは当然の疑問です。


我が家では、質感良い壁紙という感覚でエコカラットを貼りました。あまり調湿効果を期待していませんでしたが、実際には想像以上の効果があり、未だに加湿器なしで冬場の湿度コントロール(40~60%) が実現できています。気化熱を考慮すれば、年間 数万程度の電気代金が浮くことになります。


i-Smartの場合、冬の晴れた日は、昼に数度ほど室温が上昇します。エコカラットは、昼に水蒸気を放出して、湿度の低下を防ぎ、かつ吸熱反応によって室温の上昇をマイルドにします。逆に、夜は、湿度の上昇を防ぎ、室温の低下をマイルドにします。


想像以上に、高気密・高断熱住宅とエコカラットの相性は良いようです。


参考までに、我が家は吹き抜けスペースを合わせると延べ床40坪程度、エコカラットプラスの施工面積は30 m^2 程度で、エコカラットの調湿能力をざっと計算すると、理想的な場合で500 g/h 程度ですので驚く結果ではないのかもしれません。


電気代で元を取るには10年以上かかりますが、エコカラットでパッシブな調湿システムを家に導入するのも良いですね。

i-Smartハック 〜低コストで快適に暮らしたい〜

久しぶりに記事を書きます。
さて,我が家,冬は太陽光の恩恵を受けるように設計したおかげもあるのかもしれませんが,実質40坪の家で,11月,12月の電気代が1万円程度と低い水準に留まっています。


もちろん,室温は全館22度〜26度の範囲ですし,昼は,ハニカムを閉めて気温上昇を抑制することもあります。ちなみに,湿度は,エコカラットの恩恵で加湿器なしで,40〜60%に保たれています。


快適な生活を低コストで実現できているのにはカラクリがあります。あくまで自己責任ですが,私のi-Smartハック術をまとめたいと思います。


換気量設定

現在の換気量は,2時間で1回以上,室内の空気が入れ替わるという設定になっています。これは,建材が揮発性物質を出しまくっていた時代だからこそのルールで,i-Smartのように揮発性物質がほとんど出ない建材を使っている家では現実的ではありません。いい加減,現実にあった法律にして欲しいですが,まあ,法律が複雑になるというデメリットもあります。
法律が追いついていない現状では,消費者が頭を使うしかありません。i-Smartで必要な換気量は,居住している人が排出する二酸化炭素を十分に排出できる量です。どの程度かというと,住んでいる人数 x 30 m^2/h(20m^2/hでもそれほど問題ないけど,30m^2/hの方が望ましい)が適量です。ここら辺は,二酸化炭素,換気量でググると根拠が沢山出てくるので,気になる人はチェックしてみてください。
3人家族の場合は,90 m^2/h,4人家族は120 m^2/hとなります。この適量値で換気すれば,湿度や温度管理が大分楽になります。


最近のi-SmartではMAX製のロスガードを使っており,素晴らしいことに,換気量が10m^2/hの単位で調整できるようになっています。

  1. ロスガードのスイッチを切る。
  2. ロスガードをコントロールするリモコンのカバーを外す。
  3. 4つのスイッチで換気量を調整する。4つのスイッチの組み合わせで換気量が調整できるので,スイッチの下に書いてある組み合わせ表を参考にして,換気量を調整する。
  4. リモコンカバーを元に戻す。
  5. スイッチを入れる。

ってな感じです。副次的な効果としてロスガードの音が小さくなります。
#沢山の人が住んでいる家はかえって換気量が増える可能性がありますが,そういった例は特殊だと思います。

トイレの換気設定

今のトイレのスイッチは,Panasonicのスイッチが採用されています。このスイッチ, 遅れ停止(スイッチを切った後一定時間で停止)と一時動作(スイッチを入れた後一定時間で停止)の二つの設定が選べます。
初期設定は, 遅れ停止モードでスイッチを切った後3分間動作するようになっています。スイッチを消し忘れると,熱交換なしに大量の換気が行われてしまい,ロスするエネルギーは大きくなるので,スイッチを消し忘れる前提で,一時動作モードに変えましょう。
変え方は,Panasonicのこのページの取扱説明書を見れば簡単にできます。我が家では,一時動作モードで,スイッチを入れた後6分後に停止するようにしています。

床暖房のタイマー設定

一年目ということもあり,本当に翻弄されたのが床暖房のタイマー設定です。設定を難しくしているのは,

  • 床暖の温度を高くした後に体感温度として感じるまでのタイムラグ
  • 室温が上昇した後に床暖のセンサーが認識するまでのタイムラグ

です。ちなみに,こういったタイムラグがある場合の人間の勉強効率は極めて悪いことがわかっています。これがあるが故に,専門家のいうことは当てにならないとかいった本が書かれたりもしています。
こんな時は,観測→仮説→検証→仮説の改良→検証,といったルーティンで,ベターな解決策を見つけることにします。
で,我が家がたどり着いたのは,

一階全てのエリア: 
0:00~3:00  セーブ(27度)
3:00~7:00   通常(30度)
7:00~11:00  停止
11:00~17:00  セーブ(27度)
17:00~20:00  通常(30度)
20:00~24:00 セーブ(27度)


二階全てのエリア: 
0:00~4:00 セーブ(26度)
4:00~6:00 通常(27度)
6:00~19:00 セーブ(26度)
19:00~22:00 通常(27度)
22:00~24:00 セーブ(26度)


です。これは,立地条件や窓の配置によって変わるはずなので,参考程度にしてください。

全館空調でサラサラ生活にかかる電気料金 i-Smartの場合

我が家は吹き抜けを含めると40坪程度の空間量があります。5月中旬から24時間、吹き抜けの上部に取り付けたエアコンを利用して、全館空調を続けています。


使用しているエアコンは、7年前(2009年製)三菱霧ヶ峰のZシリーズ(冷房能力4 kw、200v)で、体感冷房を使って温度を26度、湿度を50%に設定しています。実湿度は部屋によってばらつきがありますが、40~55%程度でコントロールできています。


湿度までコントロールしている快適さは素晴らしいの一言で、仕事場がジメジメして不快だと感じるようになってきました。問題があるとすると、寝室の温度コントロールが難しく、設定温度+1〜2度になってしまうことです。ハニカムを閉めっぱなしにすればもう少しマシになるとは思うのですが、嫁に反対されて却下。仕方がないので、寝る前に寝室の個別のエアコンで部屋全体の温度を下げるといったことをしていました。


8〜9月の空調にかかった費用は大体6,100円/月(電化上手プラン)となり、期間を通して最も高い値でしたが、2万円強で5月中旬から快適な生活を送れたのはとても良かったと感じています。


i-Smartの場合、一台のエアコンで24時間空調を前提として工夫して設計すれば関東でもこの程度の電気代で快適な生活を送れると言うことです。設計段階で室外機の置き場所も含めて検討されることをオススメします。


湿度がコントロールできるエアコンはi-Smartというか高気密高断熱住宅との相性が抜群です。しかし、多くのメーカーが湿度コントロールを軽視する傾向にあり、快適さに関して7年前の製品と比して退化しているようにも見えます。例えば、最新型の霧ヶ峰のZシリーズでは湿度の設定ができません。日立の白くまくんが最後の砦です。